公式サイト: http://bosch-movie.com
この世は地獄か、天国か―。私たちは謎を愛し、謎を求め、謎を巡り、謎について考えている
【終了日:3/2(金)】
【原題】El Bosco. El jardin de los suenos
【監督】ホセ・ルイス・ロペス=リナレス
【キャスト】ラインダー・ファルケンブルグ,シルビア・ペレス・クルース,ルドビコ・エイナウディ,オルハン・パムク,ミケル・バルセロ
2016年/スペイン,フランス/90分/アルバトロス・フィルム/DCP
2月17日(土)〜2月23日(金) |
17:20〜18:50 |
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2月24日(土)〜3月02日(金) |
13:25〜14:55 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
2016年夏。ヨーロッパのアート界は、ブリューゲル、ルーベンス、ダリ、マグリットなど、多くの画家に影響を与えた芸術家の話で持ちきりだった。その人、ヒロニエムス・ボス。15~16世紀のネーデルランドで活躍した天才画家で、人物像の詳細はおろか生年月日も不明。現存する作品は25点のみと、謎に満ちた人物である。彼の作品群の中で最高傑作にして美術史上最も異彩を放つ作品とされるのが、スペインのプラド美術館が所蔵する三連祭壇画『快楽の園』だ。ボス研究者をして決定的な解釈のなされていない難解かつ魅惑の作品は、エロチックでグロテスクな“天国と地獄”が所狭しと描かれた奇想天外な世界。ボスは誰のために、何のために描いたのか? 謎が謎を呼ぶ一大スペクタクルである。
ボス没後500年を迎え、プラド美術館全面協力のもと、ドキュメンタリー作家のホセ・ルイス・ロペス=リナレスが大作をカメラに収めることを許可される。連日世界中から美術愛好家が押し寄せる昼の美術館とは一転、静寂に包まれた夜の美術館に招かれたのは、ボス研究家の第一人者であるラインダー・ファルケンブルグ、ノーベル賞作家のオルハン・パムク、ヨーロッパを代表する作家のセース・ノーテボームとサルマン・ラシュディ、ソプラノ歌手のルネ・フレミングなど、各界の知識人たち。謎を解明しようと『快楽の園』と対峙するものの、膨大な情報量と圧倒的なパワーに言葉を失い、寓意に満ちた幻想の世界に没入していく。
カメラは“悪魔のクリエイター”とも呼ばれたボスの創作の謎と素顔に迫る。赤外線分析で判明した下絵、緻密な筆遣いと顔料の秘密、現代に受け継がれなかった古楽器、そしてキリスト教との深い関係。多方面の専門家の解説から『快楽の園』に込められた思想と、先進的な知識人だったボスの情熱が垣間見える。
2016年、オランダの古都デン・ボスにある北ブラバンド美術館で行われた、ボス没後500周年記念の回顧展は、動員42.5万人を記録し、人口1,709.7万人のオランダ国で過去3番目の成功を収めたという。17年に東京と大阪(10月15日まで国立国際美術館で開催中)で開催された『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 ― ボスを超えて ―』はボスの油彩2点が初来日したことも話題になり、東京だけでも約38万人を動員。ボス工房の『トゥヌグダルスの幻視』を目玉とした『ベルギー奇想の系譜』(9月24日までBunkamuraザ・ミュージアムで開催中)も連日盛況と、ボスの奇妙な空想世界は日本のアート界でもファンを獲得している。
古今東西のクリエイターや美術愛好家を魅了する、ボスの“なんでもあり”の世界は、一度見たら脳裏に焼き付く魔の“天国と地獄”。緻密な筆遣いで謎をちりばめた『快楽の園』を、大画面の迫力で体感する極上の90分間。今、ここに開帳!
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