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正義を語るな、無頼を生きろー。井筒和幸監督、8年ぶり新作映画
【終了日:2021年1/8(金)※元旦1/1(金)のみ休映】
【監督】井筒和幸
【キャスト】松本利夫,柳ゆり菜,中村達也,清水伸
2020年/日本/146分/チッチオフィルム/DCP
12月12日(土) |
11:45〜14:15 16:25〜18:55 |
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12月13日(日) |
11:45〜14:15 20:55〜23:20 [レイト] |
12月14日(月)〜12月18日(金) |
11:45〜14:15 16:25〜18:55 |
12月19日(土)〜12月25日(金) |
08:50〜11:20 20:50〜23:15 [レイト] |
12月26日(土)〜12月31日(木) |
17:45〜20:15 |
1月02日(土)〜1月08日(金) |
11:35〜14:05 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,200 | ¥1,100 | ¥1,100 |
主人公は、誰もが“欲望の資本主義”を追いかけた戦後日本そのもの。敗戦直後の動乱期から所得倍増、奇跡の高度経済成長、政治の季節とオイルショック、さらにはバブルの狂騒と崩壊まで──。激しく変転を続けた昭和という時代が、世間という“良識の監獄”の外側で生き抜いた1人のヤクザ者の人生を通して逆照射されます。1975年のデビュー作の『ガキ帝国』以来、社会のあぶれ者、はみ出し者を冷徹かつ共感に満ちた視線で描き続けてきた井筒監督の真骨頂にして集大成とも言える、もう一つの戦後史です。
さまざまな事件や風俗の盛り込まれた物語の主役のアウトローを演じるのは、EXILEのメンバーとしてテレビや舞台で活躍する松本利夫。抜群の気っぷの良さで彼の人生を支えた妻・佳奈役には映画『純平、考え直せ』のヒロインに抜擢されるなど女優として活躍も目覚ましい柳ゆり菜。他にも木下ほうか、ラサール石井、升毅、小木茂光、隆大介、中村達也などの実力派が脇を固め、オーディションで選ばれた総勢300人の俳優陣が、練達の井筒演出のもと全力で見せ場を競いました。
極貧ゆえ社会から頭を抑えつけられ、飢えや冷たい眼差しに晒されながらも、何にも頼らず、ただ己の腕と胆力を恃みに、内なる掟に従って率直に生きた男。やがて彼は一家を構え、同じようなはみ出し者たちを束ね、命懸けの裏社会を駆け上がっていく──。生のままの欲望がぶつかり合う無頼漢たちの群像模様は、さながら井筒和幸版『ゴッドファーザー』のように、フィクションでありながら社会の本質を抉り、昭和という時代を底辺で突き動かしてきた原動力を可視化させます。2度目の東京オリンピックに官民挙げて「夢よ再び!」と湧き上がる2020年に、井筒和幸監督が放つ魂の146分。虚妄のノスタルジーに彩られた昭和回顧ブームを撃つ、本格ハードエンターテイメントの誕生です。
【story】
太平洋戦争に敗れ、貧困と無秩序の中にいた日本人は、焼け跡から立ち上がり(理想の時代)、高度経済成長の下で所得倍増を追い(夢の時代)、バブル崩壊まで欲望のままに生き(虚構の時代)、そして、昭和が去ると共に、その勢いを止めた。その片隅に、何にも頼ることなく、一人で飢えや汚辱と闘い、世間のまなざしに抗い続けた“無頼の徒”がいた。やがて男は一家を構え、はみだし者たちを束ねて、命懸けの裏社会を生き抜いていく……。過ぎ去った無頼の日々が今、蘇える。正義を語るな、無頼を生きろ!
【井筒監督からのコメント】
改めて振り返ってみると、社会のあぶれ者、はみ出し者ばかり描いてきました。デビュー作の『ガキ帝国』では1968年、大阪ミナミを闊歩する少年院上がりの不良少年たち。『犬死にせしもの』では終戦直後、陸軍の復員兵上がりの無法者たち。『岸和田少年愚連隊』では1976年、大阪の田舎町にくすぶる格差教育の落ちこぼれの不良少年ども。『パッチギ!』は1968年、京都ゼロ番地に生きる在日朝鮮人の高校生たち。『ヒーローショー』は2010年、首都圏のまさに「失われた世代」のはぐれ者たち。そして『黄金を抱いて翔べ』では金塊強奪の夢に取り憑かれた住所不定の虚無主義者やアウトローたち──。登場人物たちは誰もが、社会から無用とされ、貧困と差別、汚辱に暴力で抗ってきた「寄る辺なき者」たちです。本作『無頼』でスクリーンを彩るのは、欲望の昭和を徒手空拳で生き抜いた、文字どおり無頼の徒たち。本来、ネガとポジは表裏一体。アウトロー社会という今の世間からは排除されたネガ画像を通して、僕なりの昭和史を逆照射してみたいという思いもあります。時代は昭和から平成、令和へと写っても、貧困や差別、孤立は何も変わっていません。ことの是非を語るつもりは毛頭ない。ただ、こんなふうに無頼な生き方を通して男たちがいたということを、現代の若者に見せたいと思ったんです。そしてフィルムを通じて、くじけるな、寄る辺なき世界を生き抜けと励ましてあげたい。それがこのシャシンに込めた、映画作家としての僕の願いです。
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