映画史上もっとも呪われた問題作。初公開から30年以上の時を経て、監督自ら監修のもと、今鮮やかに蘇る!
【原題】Heaven's Gate
【監督】マイケル・チミノ
【キャスト】クリス・クリストファーソン,クリストファー・ウォーケン,ジョン・ハート,イザベル・ユペール
2012年/アメリカ/216分/boid/DCP上映
12月28日(土)〜12月31日(火) |
15:35〜19:15 |
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1月02日(木)〜1月03日(金) |
15:35〜19:15 |
1月04日(土)〜1月10日(金) |
12:15〜15:55 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥2,000 | ¥1,500 | ¥1,500 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,500 | ¥1,500 |
1980年代初頭。『ディア・ハンター』(78年)で米国アカデミー賞の作品賞、監督賞をはじめとする5部門を受賞し、アメリカ映画の今後の担い手と期待されていたマイケル・チミノ監督の『天国の門』は、ハリウッドの老舗スタジオ(チャップリンやD・W・グリフィスなどによって設立されたユナイテッド・アーティスツ)を消滅させる地獄の使者となってしまった。1000万ドルだった予算も撮影期間(最初の12日間で既に予定より10日オーヴァーした)も大幅に超過し、実に製作費4400万ドル(当時のレート換算約80億円)という巨額が投じられた本作は、当初のヴァージョンが大幅に切り刻まれて150分の作品として一般公開されたものの興行は大惨敗。誰にもコントロールできない怪物のような映画として、生みの親のスタジオまでも食いつぶしてしまったのである。
19世紀末のワイオミング州ジョンソン郡。増え続けるロシア・東欧系の移民たちを疎ましく思う牧場主たちは彼らの粛清を開始。その処刑リストには、保安官ジム(クリス・クリストファーソン)の恋人エラ(イザベル・ユペール)の名も連なっていた。彼女を救い、牧場主の雇われガンマン、ネイト(クリストファー・ウォーケン)との三角関係にもケリをつけたいジムと、自分の居場所に執着し愛の形も貫こうとするエラの想いはすれ違う。そして事態はいよいよ全面闘争という最悪の局面を迎えようとしていた……。
本作は合衆国の西部開拓時代の最大の悲劇のひとつであり、西部劇『シェーン』(53年)の背景としても知られる「ジョンソン郡戦争」という実際の事件を元にしている。チミノはこの史実を拡げ、アメリカがアメリカになるために何をしたかという、呪われた抑圧の歴史とそれに翻弄される男女の愛の痛みを描ききった。
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