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池松壮亮、チェ・ヒソ、オダギリジョー 出演。石井裕也監督が韓国チームとタッグを組んだ「アジアの家族映画」
【終了日:2021年8/27(金)】
【監督】石井裕也
【キャスト】池松壮亮,チェ・ヒソ,オダギリジョー,キム・ミンジェ
2021年/日本/128分/クロックワークス/DCP
8月14日(土)〜8月20日(金) |
20:55〜23:05 [レイト] |
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8月21日(土)〜8月27日(金) |
17:25〜19:35 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,200 | ¥1,100 | ¥1,100 |
妻を病気で亡くした剛は、ひとり息子を連れて兄の透が住む韓国に渡ったが、早々に事業に失敗する。どん底に落ちた三人は、活路を求めてソウルから江原道(カンウォンド)へと向かう列車に飛び乗る。偶然そこで巡り合ったのは、同じように人生に行き詰った韓国の三兄妹だった。言葉が通じ合わないにもかかわらず、彼らは不思議な旅を共にすることに・・・。
『舟を編む』(13)で日本アカデミー賞監督賞を最年少で受賞、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(17)でアジア・フィルム・アワードのアジア最優秀監督賞を受賞し、若くして国内外の注目を集めてきた石井裕也監督。『町田くんの世界』(19)『生きちゃった』(20)『茜色に焼かれる』(21)など、自分の生きる社会や時代と格闘する意欲作を世に送り出してきた石井監督が、あらためて初心に返り、これまでの経験値に頼らずにオール韓国ロケを敢行した本作でさらなる新境地を開拓した。
始まりは、石井監督と『ムサン日記〜白い犬』(10)のパク・ジョンボム監督との出会いにさかのぼる。2014年の釜山国際映画祭で共に審査員をつとめた二人は意気投合し、以来友情を育んできた。そしてパク・ジョンボム監督が、本作のプロデューサーを引き受けたことから、映画は動き出す。「映画とは本来途方もなく自由なもののはずで、狭い世界など軽々と飛び越えていけるもののはずだ。そういう映画の可能性に期待もしていた」と語る石井監督。その言葉通り、95%以上のスタッフ・キャストが韓国チームという、現地の力を最大限に生かす座組みが実現した。
心に大きな喪失を抱えるシングルファーザーの青木剛を演じたのは、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『町田くんの世界』『ぼくたちの家族』をはじめ、石井作品には欠かせない顔である池松壮亮。最愛の妻を失い絶望的な別れと向き合ったからこそ、言葉や文化を超えて人と人が分かり合おうとすることをあきらめないその姿は、この世界の豊かさを信じる力そのもののようだ。
剛が身を寄せる韓国在住の兄には、ギャラクシー賞月間賞も受賞した石井監督演出のTVドラマ「おかしの家」で主演をつとめ、『茜色に焼かれる』にも出演しているオダギリジョー。『マイウェイ 12,000キロの真実』(12)などへの出演歴があり韓国映画界との縁も深いオダギリが、剛とは対照的な、いい加減に見えてどこか憎めない人間力にあふれた風来坊を体現している。
元アイドルで売れない歌手のチェ・ソルを演じるのは、『金子文子と朴烈』(17)で長編映画初主演を飾り、『Our Body』(18)で第23回釜山国際映画祭「今年の俳優賞」を受賞した実力派のチェ・ヒソ。剛たちと同じように大切な家族を失った過去を持ち、ままならない現実との狭間で苦しみながらも、懸命に生きようとする心の再生を演じきった。
生きるのは不器用でも裏表がなく人のいいソルの兄・ジョンウは、『ビューティー・インサイド』(16)『サイコキネシス 念力』(18)『新感線半島 ファイナル・ステージ』(21)などのキム・ミンジェ、ソルの献身を素直に受け取れず反発する妹・ポムは、制作スタッフを経て短編映画や舞台で演技経験を積み、近年はNetflixオリジナルのゾンビ時代劇『キングダム』(19)にも出演したキム・イェウンが、それぞれ演じた。さらに剛の息子・学には、子役の佐藤凌が抜擢され、寡黙ながらも強い存在感で二つの家族をつなぐ。
また、前述のパク・ジョンボム監督も『生きちゃった』に続いて出演しており、オダギリジョー演じる兄の相棒として登場している。
異国の地で撮影に挑んだ石井監督は、言葉と文化の壁から生まれる噛み合わない会話やコミュニケーションのすれ違いを、劇中で時にコミカルな掛け合いとして演出し、相互理解への高いハードルを描く中にも心地良いユーモアの流れる空気感を創り出している。撮影監督には『ムサン日記〜白い犬』のキム・ジョンソン、音楽監督には『嘆きのピエタ』(12)のパク・イニョンが参加し、石井監督とのシナジーでアジア映画のあるべき一つの形を作り上げた。
それぞれが心に傷を持つ、日本と韓国の家族がソウルで出会い、国を入り交えて新しい家族の形になる魂のロードムービー。彼らの前に現れる「アジアの天使」を目撃したとき、あらゆる差別や偏見や歴史を超えて、映画と世界の未来が見えてくるだろう。
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