北欧アイスランドにて、1942年から現在まで続く男女共学の家政学校に迫ったドキュメンタリー
【終了日:2021年11/18(木)】
【原題】The School of Housewives
【監督】ステファニア・トルス
2020年/アイスランド/78分/kinologue/DCP
10月30日(土)〜11月05日(金) |
12:20〜13:45 |
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11月06日(土)〜11月12日(金) |
18:25〜19:45 |
11月13日(土) |
16:55〜18:15 |
11月14日(日) |
17:05〜18:25 |
11月15日(月)〜11月18日(木) |
16:55〜18:15 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
1942年から現在まで続く、男女共学の家政学校「主婦の学校」
世界最北の首都、アイスランドのレイキャビクに、1942年に創立された伝統ある「主婦の学校」がある。寮での共同生活を送りながら生活全般の家事を実践的に学ぶことができる、一学期定員24名の小さな学校だ。かつて、義務教育後に進学の機会が少なかった女性たちを、良き主婦に育成することを目的としていた家政学校(花嫁学校)は、世界のあちこちにあった。その多くが衰退していくなか、この学校は、1990年代に男子学生も受け入れて男女共学となり、現在まで存続している稀有な存在である。今では「主婦になるために行くわけじゃない」「自分のことは自分で面倒を見られる人間になりたい」と、性別に関わりなく、「いまを生きる」ための知恵と技術を求めて学生たちが集まってきている。本作は、時代の移り変わりと共にその役割を変化させてきた「主婦の学校」に注目したドキュメンタリーである。
自立した人生を楽しむための術、サステイナブルな学び
学生たちは、初歩的な料理からおもてなし料理・伝統料理の調理法、衣類の種類に応じた洗濯法や正しいアイロンがけ、素材の理解と縫製技術、美しいテーブルセッティング&マナー、火災予防のための消火器の使い方など、理論と実技を実践的に学んでいく。昔からほぼ変わっていないという教育内容には、家事の基本を押さえるだけでなく、破れた衣服の修理や食品を使い切ることなど、今の時代に必須な環境に優しいサステイナブル(持続可能)な学びも含まれている。学位をとるためではなく、生きることに役立つ知恵を身につけ、手に技術をつける学び、つまり〈自立した人生を楽しむための術〉が、この学校の教育にはあふれている。
“ジェンダー平等” 先進国アイスランドからの問いかけ〈主婦〉とはなにか。家事を「自分ごと」として〈生活を大切にする〉営みとは?
アイスランドは、2021年世界経済フォーラム公表のジェンダーギャップ指数ランキングにて12年連続1位の “ジェンダー平等” が進んでいる国だ(日本は同ランキング120位)。そのアイスランドに「主婦の学校」が存続していることは、性別に関わりなく、自立した人間として生きていくための学びの大切さの表れである。主婦とは家事を担う既婚女性を意味してきたが、本来、〈生活を大切にする〉営みを続ける人であることを、この学校の学びは気づかせる。〈主婦〉とはなにか?そして、家事を人ごとではなく「自分ごと」とする暮らしとは?長編デビューとなったアイスランドの新鋭女性監督ステファニア・トルスによる本作は、家で過ごす時間が多くなったコロナ禍以降、暮らしや家事のあり方を柔らかく問うている。
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