ベルナルド・ベルトルッチ ――。

『ラストタンゴ・イン・パリ』『ラストエンペラー』等でその名を映画史に刻み込んだ、世界に冠たる巨匠のフィルモグラフィーの中で、日本で唯一ソフト化もされず観ることの出来なかった、最も革新的な長編第3作『ベルトルッチの分身』が遂に劇場初公開。その他に、監督デビュー作『殺し』と第２作『革命前夜』、名作『暗殺の森』を合わせて上映する初期傑作選！

最新作『孤独な天使たち』と合わせてぜひご鑑賞ください。

ベルトルッチの分身

［出演］ピエール・クレマンティ、ティナ・オーモン
［音楽］エンニオ・モリコーネ
1968年／カラー／ブルーレイ／109分／ザジフィルムズ

世界に冠たる巨匠ベルナルド・ベルトルッチのフィルモグラフィーの中で、日本で唯一ソフト化もされず観ることの出来なかった、最も革新的な長編第3作。ドストエフスキーの「分身」を換骨奪胎し、ピエール・クレマンティ演じるジャコブが、融通のきかない 真面目な青年と狂暴で破壊的な殺人者という極端な二つの人格に引き裂かれていくのを鮮烈に描き、ベルトルッチ固有の世界をしたてあげた。自身初のオールカラー作品となる本作は、鮮やかな色彩が躍動した才気溢れる作品である。
大学で教鞭をとる孤独な青年ジャコブ(クレマンティ)はある夜、同居人の若い男を突然ピストルで撃ち殺す。後日、 ジャコブは何事もなかったかのように好意を抱いている大学教授の娘クララ(サンドレッリ)の誕生日祝いに駆けつけ るのだが、そのあまりに奇抜な振る舞い振りで会場から追い出されてしまう。帰り道、ジャコブの前に巨大な影が現わ れて、その日を境に自分の“分身”との奇妙な共同生活が始まった…。

殺し［デジタルリマスター版］

［出演］フランチェスコ・ルイウ、ジャンカルロ・デ・ローザ
1962年／モノクロ／ブルーレイ／92分／ザジフィルムズ

当時のイタリア映画史上最年少となる21歳でのベルトルッチ監督のデビュー作。川岸の草むらで 女性の他殺死体が発見され、次々と容疑者が浮上する。取り調べの中で語られる容疑者の供述を通して、各々の事件当日が描かれていく。ベルトルッチの 映画的才能を充分に堪能できる作品

革命前夜［デジタルリマスター版］

［出演］フランチェスコ・バリッリ
［音楽］エンニオ・モリコーネ
1964年／パートカラー／ブルーレイ／112分／ザジフィルムズ

ベルトルッチ監督長編第2作。スタンダールの名作「パルムの僧院」を下敷きにした監督の半自伝的な 作品。マルクス主義者を自認するブルジョワ階級の青年のアイデンティティーの危機を瑞々しく描いている。様々な映画手法を駆使し、当時の監督のヌーヴェル・ヴァーグへの傾倒ぶりが窺われる作品。

暗殺の森

［出演］ジャン＝ルイ・トランティニャン
1970年／カラー／ブルーレイ／113分／紀伊國屋書店、マーメイド・フィルム

現代イタリアを代表する作家モラヴィアの「孤独な青年」を基に、過去の罪にさいなまれながらファシズムに傾倒していく男の孤独と頽廃を官能的に描く。「地獄の黙示録」でアカデミー撮影賞に輝いた名キャメラマン、ヴィットリオ・ストラーロによる奇跡の映像美と１９歳でヨーロッパのデカダンスを身にまとったドミニク・サンダの美貌に心をうばわれる。