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母親であることを手放した女と、母親になると決心した女。日本映画を支える実力派キャスト・スタッフが結集
【終了日:2019年12/6(金)】
【監督】越川道夫
【キャスト】貫地谷しほり,山田真歩,永井大,川口覚
2019年/日本/133分/コピアポア・フィルム/DCP
11月23日(土)〜11月29日(金) |
16:05〜18:20 |
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11月30日(土)〜12月06日(金) |
13:05〜15:25 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
豊かな自然に囲まれた鹿児島県長島町。一年前に島にやってきた茜は、食堂でテキパキと働きながら、地域の子どもたちの成長を見守り続けている。一方、夫とともに島の名産物であるブリの養殖業を営む五月は、赤ん坊の頃から育ててきた7歳の里子・豊和(とわ)との特別養子縁組申請を控え、“本当の母親”になれる期待に胸を膨らませていた。そんな中、行方不明だった豊和の生みの親の所在が判明し、その背後に東京のネットカフェで起きた乳児置き去り事件が浮かび上がる……。
7年前に何があったのか? “生みの親”と“育ての親”がそれぞれ体験する、子どもと離れる辛さと、お母さんと呼ばれる歓び。彼女たちはそれらを分かち合うことはできるのか? そして、島の子としてすくすくと育った豊和の未来は 。家族のあり方が多様化する時代に、改めて親子の絆を問いかける骨太なヒューマンドラマが完成した。
【日本映画を支える実力派キャスト・スタッフが結集】
茜役を演じるのは、『くちづけ』でブルーリボン賞主演女優を受賞し、映像、舞台、ナレーションやナビゲーターなど多方面にて活躍中の貫地谷しほり。五月役には『アレノ』で高崎映画祭最優秀主演女優賞を受賞、幅広い役柄で映画ファンを魅了する山田真歩。実力派の二人が、対照的な人生を歩んできた女性たちの深く複雑な愛情や葛藤をそれぞれひたむきに体現する。その他、五月の夫・優一役に永井大、その母親・ミエ役に木内みどり、町役場職員・秀幸役として川口覚が出演。物語の鍵を握る豊和役は、ロケ地・長島町でのオーディションで抜擢された演技初挑戦の小学4年生・松原豊和が演じる。 監督は『海辺の生と死』の越川道夫。現実社会でも後を絶たないDVや乳児遺棄、いまだに表立って議論されることが少ない不妊治療や養子縁組制度などの問題に正面から挑みながら、登場人物たちの心の機微をすくいとる演出によって、すべての世代・性別・立場の観客にあたたかな感動をもたらす普遍的な人間ドラマを作り上げた。
【地域の活力が次世代を育む
鹿児島長島町の魅力と、これからの時代の子育て】
本作の企画を立ち上げたのは、鹿児島県最北端に位置する長島町の有志で結成された「長島大陸映画実行委員会」。長島町は養殖ブリをはじめとする漁業や農業、畜産業が盛んで、食料自給率は100%を超える。地域コミュニティの結びつきも強く、伝統文化や豊かな産業が親世代から子世代へと受け継がれる環境を築いてきた。しかし、全国的にも高い出生率(2016年調べで2.06人)を誇る一方で、日本の他の多くの地方と同様に過疎化の問題を抱えている。多様な命を育み、人々の生活を見守る大きな海のように、あらゆる人が暮らしやすく、次世代を育みやすい故郷でありたい——。島の人々のそんな願いが出発点となり、本作が誕生した。
【STORY】
鹿児島県の最北端、青い海に囲まれた長島町。佐藤茜(貫地谷しほり)は一年近く前に都会からこの島に一人でやって来て、港の食堂で働いている。溌剌とした働きぶりで島の人々に人気の茜だが、自身について語ることはほとんどなく、謎に包まれた存在だ。
一方、島で生まれ育った日野五月(山田真歩)は、家業のブリの養殖を継いだ夫の優一(永井大)、義母のミエ(木内みどり)、7歳になる里子の豊和(松原豊和)と平穏に暮らしている。五月はかつて不妊治療を行なっていたが、心身と家計に多大な負担がかかったために断念。幼馴染で町役場の福祉課に務める秀幸(川口覚)の紹介で、児童相談所から当時赤ん坊だった豊和を預かり、養育してきた。最近やっと生活が安定したことから、日野夫妻は豊和の戸籍上の親になるべく、特別養子縁組の申し立てを行う。
特別養子縁組が家庭裁判所で認められるためには、養子となる子どもが8歳未満であること(*)、生みの親の同意が得られていることなど、いくつかの要件がある。豊和の場合、親権は生みの親ではなく児童相談所が持っていることもあり、手続きはスムーズに進むかに見えた。しかし五月たちは準備を行う中で、思いもよらぬ事実を知らされる。なんと豊和は、7年前に東京のネットカフェで起きた乳児置き去り事件の被害者だったのだ。そして懲役1年執行猶予3年の判決を受けたという豊和の母親の名は、佐藤茜だった。
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