医師デニ・ムクウェゲ。2018年ノーベル平和賞受賞。5万人もの女性を救ってきた闘いの日々を追ったドキュメンタリー【終映日:2022年5月27日(金)】
【監督】立山芽以子
【キャスト】常盤貴子 (語り)
2022年/日本/75分/アーク・フィルムズ/DCP
5月14日(土)〜5月20日(金) |
13:05〜14:30 |
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5月21日(土)〜5月27日(金) |
17:40〜19:00 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
もし、あなたが今手にしているスマホが、はるか遠くで暮らす女性たちの犠牲のもとで作られているとしたら?
この映画は、自分たちの快適で、便利な暮らしは何によって支えられているのかを考えるきっかけになれば、
という思いで作ったものです。
映画を見たあなたは、まずこう思うでしょう。「知らなかった」。そして「自分も何かしなければ」。
一方であなたはこうも思うでしょう。「日本人でよかった」「コンゴで生まれなくてよかった」。
そして「日本人の自分にできることは何もないのではないか?」
私もそう思います。
人は生まれてくる国や時代を選べません。
そして、コンゴで起きている現実は、あまりに想像を超え、フクザツなもので、どこから手をつけるべきなのか、
どう理解してよいのかさえわからなくなるものです。
知りたくない事実。考えたくない、世界の仕組み。
今日スマホを使うのをやめれば、明日からコンゴに平和が訪れる、というものでもありません。
この現実に、時に無力感すら感じることがあるでしょう。
ムクウェゲさんには好きな日本語があります。「利他(りた)」。
普段あまり使わない、聞かない日本語ですがムクウェゲさんは
いつもこの言葉を使って、日本人に訴えかけます。
他者を思い、世界で起きていることを想像する力。これこそが今、必要なのだと。
映画の中で、高校生たちが議論するシーンが出てきます。
世界で起きていることを「自分事と考える」こと、そして「答えのない問いを考え続けること」。
そんな高校生たちの姿に、希望を感じ、このシーンを映画に入れました。
「私たちには、歴史を変える力があります。闘うための信念が正しいものであれば」
(ムクウェゲ医師、ノーベル平和賞受賞スピーチより)
今私たちが生きるこの同じ世界で、コンゴで起きていること。
この映画がコンゴの現実を知って、考えて、そして行動するきっかけになることを、願ってやみません。
【Introduction】
アフリカ大陸、コンゴ民主共和国・東部ブカブ。
この地は「女性にとって世界最悪の場所」と呼ばれている。
20年以上の間、ここでは40万人以上の女性たちがレイプの被害を受け続けている。 その女性たちの多くを無償で治療してきたのが婦人科医、デニ・ムクウェゲである。
彼のパンジ病院には、肉体的、精神的な傷を負った女性たちが運び込まれてくる。年間で2500~3000人。なぜ、このような犯罪が後を絶たないのか。
この地にはレアメタル、錫など豊かな鉱物資源が埋まっている。武装勢力はその利権を得るために、性暴力という武器をつかい、住民を恐怖で支配しようとしているのである。個人の欲求とは異なる、組織的な性暴力。
ある時、ムクウェゲ医師は「その根源を断ち切らない限り、コンゴの女性たちに平和は訪れない」と気づいた。そして、この地で起きていることを世界に訴え始めたのである。しかし、その勇気ある行動によって、自分の命を狙われることになる。
2018年、長年の活動にたいしてノーベル平和賞が授与された。しかし、ムクウェゲ医師の闘いは終わることはなく、今も続いている。本作はその闘いの日々を追ったドキュメンタリーである。私たちが生きる、同じ世界で起きていること。決して他人事と思ってはいけない現実がここにはある。
©TBSテレビ
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