画家・絵本作家いせひでこを映像作家・伊勢真一が描いたまるで絵本のようなドキュメンタリー!
【終了日:2/3(金)】
【監督】伊勢真一
【キャスト】いせひでこ,柳田邦男,細谷亮太
2016年/日本/82分/いせフィルム/DCP
1月21日(土)〜1月27日(金) |
11:15〜12:45 |
---|---|
1月28日(土)〜2月03日(金) |
09:30〜10:55 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
2011年3月11日、東日本大震災。
宮城県亘理町では、300名に及ぶ人々が犠牲になった。 美しい海岸で知られる吉田浜の集落は
津波で流され壊滅状態となった。
あの日までのことを、あの日のことを、あの日からのことを誰よりも記憶しているにちがいない亘理町のクロマツと、4年近くにわたって向き合い、その声に耳を澄ませ見つめ続けた絵描きの、終わらない旅の物語 ──。
【じっと目をつぶる
−映画『いのちのかたち』に寄せて−
かんとく・伊勢 真一 】
「その木に呼び止められたとしか思えないの」
友人のいせひでこさん(画家・絵本作家)が興奮気味にその木のことを語ってくれたのは、確か2012年の忘年会の席だった。根をむきだして横たわっていたというクロマツ。ひでこさんがその木と出逢ったのは、私の映画『傍(かたわら)〜3月11日からの旅〜』(2012年製作)の舞台、宮城県亘理町吉田浜だという。勢いに押されるようにして、吉田浜に向かったのは、2013年、年が明けてすぐのことだ。
あの津波で集落の痕跡さえ見えなくなった荒野に、そのクロマツは待ち受けていた。 堂々としていた。
被災地では、それまで筆を執ることが出来なかったというひでこさんが、ごく自然にスケッチ帖を取り出す。そして、ごくごく自然にカメラは回り始めた。クロマツの倒木に寄り添うひでこさんのその姿にまた、寄り添うように撮影は続いた。
あの日までのことを、あの日のことを、あの日からのことを、記憶しているにちがいないクロマツの心の声に、耳を澄ませる。そしてスケッチする。ひでこさんは幾度も吉田浜を訪れ、クロマツとの対話を深めていった。
一枚を描き終え、二枚を描き終え、三枚を描き終え、それでも鉛筆をおこうとはしなかった。
「見尽くし、描きとどめるのだ・・・」と。
描き終えた作品を額に入れることもしなかった。
未完の物語だから・・・」と。
クロマツとの出逢いから4年の歳月が流れた。
生まれ、育ち、朽ち果て、また生まれ巡る──。
いのちのこと・・・、一人ひとりの、一つひとつの、いのちのこと。いのちには、それぞれの名前があり、かたちがあること。 いのちに寄り添う画家・絵本作家 いせひでこを通して“いのちのかたち”に触れる物語。
「じっと目をつぶる。
すると、何が見えてきますか」
(長田弘『最初の質問』より)
まるで絵本のようなドキュメンタリーが誕生した。
月例イベント
ブログ