ガラスの城の約束 screen ジャック

ホームレスの両親に育てられた女性の衝撃の半生を綴った全米ベストセラー小説を映画化!
【終了日:2019年8/15(木)】

【原題】The Glass Castle
【監督】デスティン・ダニエル・クレットン
【キャスト】ブリー・ラーソン,ウッディ・ハレルソン,ナオミ・ワッツ,マックス・グリーンフィールド,サラ・スヌーク
2017年/アメリカ/127分/ファントム・フィルム/DCP

8月03日(土)〜8月09日(金)
11:10〜13:25
8月10日(土)〜8月15日(木)
09:00〜11:10
  一般 大専 シニア
通常 ¥1,800 ¥1,500 ¥1,100
会員 ¥1,500 ¥1,200 ¥1,100
高校生以下・しょうがい者:¥1,000
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ダメな思い出ほど、今は愛おしい─。

長年の監禁からの脱出劇を描いた『ルーム』でアカデミー賞®最優秀女優賞を受賞したブリー・ラーソン。彼女の真価が再び発揮されたのが、『The Glass Castle』である。脚本・監督を手掛けたデスティン・ダニエル・クレットンとは2013年の『ショート・ターム』で組んだ仲。様々な事情を抱える10代専用の短期保護施設の所長を演じ、クレットンともども、ブレイクスルーのきっかけとなった。奇しくも、『ショート・ターム』、『ルーム』、そして本作と、特異な子ども時代を送ることになった少女の葛藤と自立をテーマとしたドラマで、複雑な表情を見せる彼女。『The Glass Castle』では高級ブランドのスーツと隙のないメイクで武装し、生き馬の目を抜くニューヨークで人気コラムニストとして生きる女性が抱える親への複雑な感情を生々しく表現する。

原作は2005年3月、スクリプナーから刊行された「The Glass Castle」。ペーパーバック版として売り出されると、全米の売り上げランキングに一年以上、ランクインされるベストセラーとなった。人々がこの本に魅了されたのは、売れっ子コラムニストとして活躍していたジャネット・ウォールズが、それまで築き上げた華麗なるセレブのイメージをかなぐり捨てて、まさに戦いとしか言いようのない過酷な子供時代の思い出を赤裸々に綴っていたことだった。だが、彼女の自叙伝の中で最も驚く部分は、痛ましい暮らしをしているにもかかわらず、家族の深い愛が描かれているところだ。その愛ゆえに、ジャネットは青春時代を大冒険と救済の旅に変えることが出来たのだ。

本書は2006年にアメリカ図書館協会のヤングアダルト図書館サービス協会 (YALSA) が主催するアレックス賞(12歳から18歳のヤングアダルトに特に薦めたい大人向けの本10冊に贈る賞)にカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」と共に選ばれ、日本では「ガラスの城の約束」(ハヤカワ文庫)として2019年5月に刊行される。
映画化に際しては、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』、『しあわせの隠れ場所』と孤独な境遇にいる子どもの成長物語を製作してきたギル・ネッター。撮影監督は『ショート・ターム』でもクレットンとコンビを組んだブレット・ポウラク。プロダクション・デザインはベン・アフレック監督の『ザ・タウン』、『アルゴ』のシャロン・シーモア。本作では、ウォールズ家の変遷を時代ごとの家の変化で見せていった。

作品の魅力を支えるのは社会一般のルールや法律をものともしない、ラジカルな生き方を選ぶウォールズ一家の主、レックスと妻、ローズマリーである。財産はなくても、子どもたちに夜空の星を贈り、詩的な世界の広がりを教えるロマンティックな一面を持ちつつ、突然、暴力的な方法で危機を乗り越える術を体に叩きつけようとするレックス。日によっては知的な科学者、時に良き父であり愛すべきヒーローから、ふとした瞬間に飲んだくれでどうしようもないダメ男へと顔を変える複雑怪奇なキャラクターをウディ・ハレルソンが熱演。いつまでも夢見る少女のような天真爛漫さを漂わせる母、ローズマリー役にはナオミ・ワッツ。この二人が演じたことで、単に「毒親」とカテゴライズできない正邪併せ持つ両親像が具現化された。子どもをうまく育てる術を知らない彼らの暗い過去が垣間見えるからこそ、レックスとローズマリーを簡単に憎んだり、捨てたりできない子どもたちの葛藤が浮かび上がる、良質な家族映画が出来上がったのだ。

【story】

1989年、ニューヨーク。ジャネット・ウォールズは「ニューヨーク・マガジン」で活躍する人気コラムニスト。富裕層が集まるマンハッタン、パークアベニューの瀟洒なアパートメントにファイナンシャル・アドバイザーである恋人、デヴィッドと暮らしている。
ある夜、彼の顧客と高級レストランで会話を交わす中、ジャネットの両親について質問が及ぶ。「母はアーティストで、父は起業家です。質の悪い漂青炭を効率よく燃やす技術を開発しています」―これは使い慣れた彼女の嘘。レストランからの帰り道、車道に飛び出してきたホームレスの男性を見かける。それは、ストリートで自由気ままに暮らす彼女の父・レックスだったが、ジャネットは知らないふりを装う。何もかもが規定外だった父と母との記憶をたどり出しながら―。

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