湘南藤沢のピープルシアターでは、劇団スピリッツオブジャパンの若者たちが熱い舞台稽古を繰り返していた。今回の公演は女の子ばかりで新選組隊士を演じる「ミュージカル誠」という画期的な企画。

ところがそこへ、幕末の世から本物の新選組が飛び出してくる。「亭主はおるか、新選組の御用改めである！」近藤勇の割れ鐘を叩くような声が響き渡る。
本物の迫力に怯え、あわててかつらをとる劇団員たち。その茶色い髪を見た近藤が一瞬ひるむ。
「おぬし等、毛唐か･･･！」

一方料亭丹虎に向かった副長の土方歳三たちは、刑事たちと対峙していた。
「武器を捨てなさい！」と永井刑事。「刀は武士の魂、渡すわけには参らぬ」と土方。「ハイハイ、いー加減にしてくれないかな、そのとぼけた物言いをさ」「何を無礼者、手打ちに致す！」と話がかみ合わない。劇団員たちは精神病院の医者と看護師に扮して、警察を欺き土方たちを救出する。

劇場へ戻ったが、現実を受け入れがたい新選組たち。
楽屋では、俊平・典子と沖田総司の間に不思議な友情が芽生える。楽屋で典子のブラジャーを不思議そうに眺める沖田。自動ドアにお辞儀する土方。トイレのウォッシュレットに感動し病みつきになる近藤。
･･･やがてやってきた刑事の説得に応じ、警察に同行する近藤たち新選組だったが、なんと典子は沖田総司に扮して、新選組についていってしまう。

時代が変わっても変わらぬ『誠』。幕末から飛び出してきた新選組が走る！
現代の若者に、新選組隊士たちが残していった『誠』とは…
笑いあり涙あり、コメディータッチの青春ストーリー。