母へ捧げる僕たちのアリア screen ジャック

公式サイト: https://hark3.com/aria/#

病床の母に届け続けた「椿姫」「愛の妙薬」 三人の兄との厳しい暮らしに輝きを見つけた、ひと夏のオペラ・レッスン
【終映日:未定】

【原題】Mes freres et moi
【監督】ヨアン・マンカ
【キャスト】マエル・ルーアン=ブランドゥ,ジュディット・シュムラ,ダリ・ベンサーラ,ソフィアン・カメス,モンセフ・ファルファー
2021年/フランス/108分/ハーク/DCP

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7月16日(土)〜7月22日(金)
15:55〜17:45
  一般 大専 シニア
通常 ¥1,800 ¥1,500 ¥1,100
会員 ¥1,500 ¥1,200 ¥1,100
高校生以下・しょうがい者:¥1,000
前売り券を1,500円にて販売中
販売場所:劇場窓口(公開前日まで)
有隣堂伊勢佐木町本店(上映期間中も販売)
※前売券は日時・座席指定券とは異なります。前売券は別途、窓口にて日時・座席指定券へのお引き換えが必要です。
※有隣堂での販売は売り切れの場合、販売終了となります。何卒ご理解の程お願いいたします。
前売り券特典:ポストカード

米アカデミー、カンヌを賑わすフランス映画界の未来を担う新たな才能たち
新進気鋭のヨアン・マンカが描くのは厳しい環境で光る“小さな奇跡”

一時期、低迷していたフランス映画界が、近年にわかに活気を取り戻している。とりわけ目を引くのが、冒険心を忘れず意欲作を生み続けるベテラン勢と対を成し、映画界の明るい未来を予見させるかのように次々飛び出してくる瑞々しくパワフルな新たな才能だ。
カンヌ国際映画祭審査員賞を授賞した『レ・ミゼラブル』(19)のラジ・リ、米アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表の最終候補に残った『GAGARINE/ガガーリン』(20)のファニー・リヤタール&ジェレミー・トルイユ。そして新進作家の勢いを決定付けた、2021年カンヌ映画祭<ある視点部門>に正式出品された、この『母へ捧げる僕たちのアリア』のヨアン・マンカ。

これら3つの長編デビュー作には、移民が多く暮らす地域の集合住宅を舞台に、貧困の中で子供や若者たちがいかに社会から疎外され、そこから抜け出せないでいるか、“まさに今”の厳しい社会状況に真っ直ぐ目を向けた、リアリズムに根差した作品という共通点が見いだせる。だが同時に、それぞれの味わいは大きく異なる。この『母へ捧げる僕たちのアリア』でヨアン・マンカは、厳しい環境の中でも決して見捨てない/切れることのない家族の絆、オペラとの出会いと予期せぬ才能という2つの“小さな奇跡”を両翼に、遂に<此処>から飛び出し未来に向かおうとする少年の姿を、詩情あふれる映像で描き出す。そこに絵空事ではないリアルな手触りが残るのは、監督自身の自伝的な要素が盛り込まれているからだろう。


社会の底辺で生きる少年が出会ったオペラ
そして少年は家族の愛を追い風に、新しい世界へと踏み出していく

夏休みの前日から夏休みが終わるまでの、少年ヌールの忘れ難いひと夏の経験が綴られる。威圧的でつい暴力に頼る長男アベル、優しくお調子者の次男モー、反抗的な問題児の三男エディ、素直で音楽を愛する四男のヌール。この4兄弟の全く異なる個性と関係のバランスが、物語を豊かに躍動させる。ヌールとは別世界の住人であるオペラ歌手のサラとの出会いによって、ヌールが音楽への愛を自覚し、歌う喜びを知って以降、物語はさらに生き生きと色づき始める。また弟の音楽愛を小ばかにしていた兄たちが、別世界に飛び出そうとするヌールを温かく見守り、応援しようとする彼ら自身の変化も感動を呼ぶ。

ヨアン・マンカが本作の着想を得たのは、エディ・ディレット・ド・クレルモン=トネールの戯曲を、監督自身が18歳で演出・出演した舞台「なぜ私たちは去ったのか-兄さんたちとぼく」。劇中のエピソードの一つ、“縁のなかった芸術との出会い”が自身の体験にリンクして、その後の人生に多大なる影響を与えたという。つまり本作の主人公ヌールは、ヨアン・マンカが芸術と出会い、目覚める運命的な瞬間を捉えなおしたともいえる。


ハリウッドからも見出された魅力的なキャスト陣
フランス映画の今後を担う、若い才能から目が離せない!

長男アベルを演じるのは、既にハリウッドに見出され、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』で殺し屋・プリモを演じて強い印象を放ったダリ・ベンサーラ。次男ムーを演じるのは、短編「Red Star」(20)や「Hédi & Sarah」(17)でも起用し、本作も当て書きだったと語るソフィアン・カーメ。三男エディを演じたモンセフ・ファルファーは、本作が初の演技経験だが、監督が「動物的な勘でエディを肉体化した」と語る、危うく目が離せない魅力を存分に焼き付けた。主役で四男ヌールには、既に子役として活動していたマエル・ル-アン=ブランドゥが、オーディションによって選ばれ、ソプラノ歌手ドミニク・モアティによる指導のもと、劇中で歌声を開花させゆく過程が本作にさらなるリアリティを与える。サラを演じたジュディット・シュムラは、長くコメディ・フランセーズの舞台に立ち続けて来た実力派女優。『カミーユ、恋ふたたび』(12)や『女の一生』(16)などでセザール賞他にノミネートされている。

少年ヌールの芸術への目覚めを、ヨアン・マンカ監督が自身の体験を交えて、南仏の陽光の中、詩情溢れる映像で描いた長編デビュー作。偶然の出会いと気づき、そして飛び出す勇気があれば、きっと未来の扉は開かれていく――。厳しい現実をリアルに映しながらも、そんな清々しさと希望を差し込ませた感動作の誕生である。


(C)2021 Single Man Productions Ad Vitam JM Films

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