ローマに消えた男 screen ジャック

公式サイト: http://romanikieta-otoko.com

あなたが愛したのは、どちらの「自分」だったのか。ヨーロッパ全土を席巻した極上のヒューマンドラマ。
【終了日:1/15(金】

【原題】Viva la liberta
【監督】ロベルト・アンド
【キャスト】トニ・セルビッロ,バレリオ・マスタンドレア,バレリア・ブルーニ・テデスキ,ミケーラ・チェスコン,アンナ・ボナイウート
2013年/イタリア/94分/レスペ,トランスフォーマー /DCP

混み合います。満席にはなりませんが、
ご入場が後になると、お席が選びづらくなります。
1月02日(土)〜1月08日(金)
12:15〜13:55
18:10〜19:45
1月09日(土)〜1月15日(金)
14:20〜16:00
  一般 大専 シニア
通常 ¥1,800 ¥1,500 ¥1,000
会員 ¥1,500 ¥1,200 ¥1,000
高校生以下・しょうがい者:¥1,000
前売り券を1,500円にて販売中
販売場所:劇場窓口(公開前日まで)、有隣堂伊勢佐木町本店(上映期間中も販売/特典は付きません)
前売り券特典:ポストカード
パンフレットをネットショップで販売中
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‟消えた”ことで手に入れた人生の休息
‟現れた”のは25年振りの元恋人と、一人の男

【イタリアの至宝、トニ・セルヴィッロ(『グレート・ビューティー・/追憶のローマ』)がミステリアスに魅せる極上のヒューマンドラマ!】

イタリア最大の野党を率いる大物政治家エンリコが、重要な国政選挙を前にして突然の失踪を遂げた。「戦いの前に、ひとりになる時間がほしい」。そんなエンリコの書き置きを発見した腹心の部下アンドレアは、支持率が低迷中の党に決定的なダメージを与えるであろうそのスキャンダルを揉み消し、「エンリコは体調不良で入院中」との嘘をつく。窮地のアンドレアを救ったのは、エンリコの双子の兄弟ジョヴァンニだった。エンリコの替え玉に起用されたジョヴァンニは、アンドレアも驚くほどの機知とユーモアに富んだ言葉を駆使し、たちまちメディアや大衆を魅了していく。一方、こっそりとローマを脱出し、パリで暮らす元恋人のもとに身を寄せたエンリコは、日頃のプレッシャーから解放され、少しずつ心の平穏を取り戻していた。ローマから“消えた”男と、それと入れ替わるようにしてローマに“現れた”男。やがてイタリア全土を揺るがす極秘の替え玉作戦は、思いがけない急展開を見せるのだった……。

『湖のほとりで』『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』『ゴモラ』といった近年のイタリアを代表する傑作に相次いで主演し、アカデミー外国語映画賞受賞作『グレート・ビューティー/追憶のローマ』で披露した円熟のダンディズムも記憶に新しいトニ・セルヴィッロ。この“イタリアの至宝”たる名優の主演最新作『ローマに消えた男』は、同国のアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で2冠に輝いたミステリアスなヒューマンドラマである。

セルヴィッロが演じるのは、長年のストレスに耐えかねてつらい現実から逃避したエンリコと、その替え玉として政界に大旋風を巻き起こすジョヴァンニというふたつの役どころ。外見は瓜ふたつだが、性格も社会的地位も対照的なキャラクターをカメレオンのごとく巧みに演じ分け、その一挙一動からまったく目が離せない。奇想天外なひとり2役を通して、人間の二面性や人生の光と影を体現してみせる懐の深さに、誰もが驚嘆せずにいられないだろう。とりわけセルヴィッロの凄みが凝縮されたラスト・シーンは、謎めいた余韻とともに、しばし観る者の脳裏に焼きつくに違いない。

【ローマから‟消えた”男と‟現れた”男の運命を通して、疲弊した現代人の心のよりどころを描く哀歓豊かな映像世界】

汚職や欺瞞がはびこるイタリアの政治状況を題材にした本作は、劇中一度も直接対面することのないエンリコ、ジョヴァンニというふたりのキャラクターの予想もつかない運命をたどりながら、大人の人生模様を味わい深く紡ぎ上げた作品である。信頼できる友人さえおらず、孤独な激務に疲れきった政治家エンリコは、25年ぶりに再会した元恋人の優しさに触れ、生きることの意味を自問自答していく。エンリコが“消える”ことで手に入れたつかの間の人生の休息と癒やしのドラマ、そして青春期を追想するエピソードは、きっと多くの観客の共感を誘うはずだ。また、政治の素人であるがゆえにしがらみに囚われないジョヴァンニが、ズバズバと本音で大衆の心を掴んでいくストーリーは痛快にしてユニーク。言わばチャーミングな変人であり、心の病を患っていた哲学者でもあるジョヴァンニの摩訶不思議な人物像は、本作における最大のミステリーでもある。
監督はアナ・ムグラリス、ダニエル・オートゥイユ主演の官能的なラブ・サスペンス『そして、デブノーの森へ』で好評を博したロベルト・アンドー。自身が執筆した小説に基づく今回の新作では、ヴェルディのオペラやフェリーニのインタビュー映像の引用といった趣向を凝らしつつ、ダンス・シーンやピアノ演奏シーンを織り交ぜ、重くなりかねないドラマを優雅かつ軽妙に仕上げた。キャラクターの背景をすべて説明せず、観客の想像力に委ねながら人生の豊かな哀歓を滲ませたサジ加減も絶妙と言えよう。

エンリコの側近アンドレアに扮し、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の助演男優賞を受賞したヴァレリオ・マスタンドレアの好演も見逃せない。人気&実力共に現代のイタリア映画界屈指の俳優であり、『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』『スズメバチ』などで日本でも広く知られるマスタンドレアと、トニ・セルヴィッロの豪華共演はそれだけでも大きなトピックである。さらに『ふたりの5つの分かれ路』『華麗なるアリバイ』のヴァレリア・ブルーニ・テデスキが、エンリコの元恋人ダニエル役で匂い立つような大人の女性の魅力を漂わせている。

【STORY】

イタリア最大の野党を率いる書記長エンリコ・オリヴェーリ(トニ・セルヴィッロ)は、政治家としてキャリア最大の危機に直面していた。天下分け目の国政選挙が迫っているというのに党の支持率は低迷し、支持者からはエンリコの責任を問う声が日増しに高まっている。党の全国大会の壇上に上がったこの日も、客席の中年女性から「お前が党をダメにした。さっさと出て行け!」と猛烈な罵声を浴びせられてしまう。

その翌日、エンリコは重要な会議の場に姿を見せなかった。腹心の部下アンドレア(ヴァレリオ・マスタンドレア)が慌ててローマ市内の自宅を訪ねると、ピアノの上に「戦いの前に、ひとりになる時間がほしい」というエンリコ直筆の置き手紙が残されていた。彼がどこへ消えたのかは、妻のアンナ(ミケーラ・チェスコン)にも心当たりがない。困り果てたアンドレアは、選挙目前に党のリーダーが失踪したとは同僚にもメディアにも言い出せず、「体調不良で入院中」とその場しのぎの嘘をついてしまう。

アンナから、エンリコにはジョヴァンニ(トニ・セルヴィッロ/一人二役)という双子の兄弟がいると聞いたアンドレアは、ワラにもすがる思いでジョヴァンニを捜し始める。哲学の教授であるジョヴァンニは、長らくエンリコとは疎遠の仲で、心の病の治療を終えて施設を退院したばかりだという。何とかアンドレアが見つけ出したジョヴァンニは、まさにエンリコと瓜ふたつの風貌の持ち主で、質素なアパートで書物に囲まれてひっそりと暮らしていた。そして一緒に近所のレストランを訪れると、アンドレアが席を外したすきに、ジョヴァンニをエンリコと思い込んだジャーナリストが取材を持ちかけてくる。エンリコに成りすましてインタビューに応じたジョヴァンニは、何事にも慎重派のエンリコとは対照的に切れ味の鋭いコメントを連発。その弁舌の巧みさに驚いたアンドレアは、ジョヴァンニをエンリコに仕立てる“替え玉作戦”を実行することを決意する。

その作戦は大当たりだった。アンドレアの不安をよそに、書記長の行事をひょうひょうとこなすジョヴァンニは、シニカルな質問を投げかけてくる記者にも堂々と対応。ユーモアを交えつつも歯に衣着せず、欺瞞に満ちあふれた政治の現状を一刀両断するジョヴァンニのセンセーショナルな言動は、たちまちメディアの注目を集め、党の支持率を急回復させていく。

その頃、ローマから失踪したエンリコは、パリで暮らしている元恋人ダニエル(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)のもとに事情を隠したまま身を寄せていた。すでにダニエルには映画監督のムングと幼い娘エレーヌがいたが、久しぶりに再会したエンリコの思いつめた様子を察し、彼をしばらく自宅に住まわせてやることにしたのだ。やがて映画のスクリプターをしているダニエルの仕事先に同行したエンリコは、病気で倒れた小道具係の代役として撮影現場で働き始める。書記長としてのプレッシャーから解放され、これまでの人生と今の自分を見つめ直したエンリコは、少しずつ心の平穏を取り戻していった。

一方、ローマではエンリコに成りきったジョヴァンニが大統領や首相との会談もこなし、ますます党のリーダーとしてのカリスマ的な風格を漂わせていた。心配性のアンドレアも、しがらみに一切囚われずに社会や政治の正しいありようを説くジョヴァンニの人柄にすっかり心酔していた。そんなある日、数万人の市民が集結した屋外の大集会でステージに立ったジョヴァンニは、あらゆる聴衆の心を揺さぶる情熱的なスピーチを披露し、来る選挙での党の大勝利を決定づけるのだった。

ところがイタリアという国そのものを変えようとしている極秘の替え玉作戦は、突然思いがけない事態に陥ってしまう。ローマから姿を眩ましたエンリコに続き、何とジョヴァンニまでも忽然と消えてしまったのだ……。

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