5/21(土)〜5/27(金)J&B美恵’sサイレント映画「風」柳下美恵さん生伴奏付き上映、無事終了しました。
3回目の開催でしたが、今回がもっとも多くの方に来場頂けました。
口コミでいらした方や、リピーターの方が目立ったのも特徴でした。
5/25(水)は上映後、柳下美恵さんを囲むお茶会に参加させて頂きました。
お茶会のなかでは、柳下さんの「サイレント映画の伴奏」に対するスタンスや手法など、
興味深いお話が伺えました。
またその日、伊勢佐木町にあったオデヲン座の資料を柳下さんが持っていらしたので、
調べてみると、昭和5年(1930年)に本作「風」の上映記録が残っていました。
そこには、担当した弁士の名前まで残っていましたが、伴奏者の名前はなし。
しかし、柳下さんによれば「弁士と伴奏者はセットなので、ピアノ伴奏者も間違いなくいた」と。
日本では番付表が作られるほど親しまれ、興行への影響も大きかった弁士への注目に比べて、
伴奏者への注目が相対的に低かったことの一例といえそうです。
サイレント映画時代も、伴奏者は注目されなかったということをふまえると、
柳下さんが「サイレント映画ピアニスト」と名乗って活動されていることは、
単に過去をなぞったり、甦らせたということでもなく、
日本においては歴史的に“古くて新しい”チャレンジなんですよね。
それは、私たち日本の観客にとっても同様に、“古くて新しい”鑑賞の機会でもあるので、
多くの方にその魅力が伝わっていけばと改めて思いました。
しかしJ&B美恵’sサイレント映画は、1週間連続で生伴奏上映。
精神的にも体力的にも、大変な重圧があるのは間違いないのですが、
それを笑顔でこなし、がっつりお茶会まで仕切る柳下さん…
「スゲー」と改めて感嘆せざるをえませんでした。
小林