2018年6月1日に伊勢佐木町の横浜ニューテアトルさんが閉館されました。
最終日は最終上映『ヨコハマメリー』の後、劇場内が開放されて、
ニューテアトルさんを愛したお客さんや関係者が集い、
スタッフの方と挨拶したり、シートにずっと座ったり、
それぞれ思い思いに、別れを惜しんでいました。
私たちがジャック&ベティを映画館を引き継いだ2007年当時、
ニューテアトルさんはすでに大先輩として伊勢佐木町にあり、
右も左も(何ならば上も下も)分からなかった私たちに
助言をしていただいたり、予告編を相互に上映しあうことを提案してくださったりと、
優しくときに厳しく支えてくださいました。
また劇場が厳しい当時は、出張映写の仕事も度々紹介してくださいました。
そうしたときは、主に私の役目でしたので、
長谷川支配人とは、横浜・川崎の公会堂や、三浦の廃校に至るまで、
いろんな上映会の現場でご一緒させていただきました。
行き帰りの車中で伺った武勇伝。マメに差し入れてくださる缶コーヒー。
「オメーよー」という口調。いま思いおこしても貴重で楽しい時間。
そして何よりも、上映という仕事への厳しいスタンスに、
「長年のベテランであればあるほど、怖さを知っていらっしゃるのだ」と
当時甘い考えであった私はハッとさせられ、
その後、慢心しそうな自分への戒めとして今も肝に命じています。
そして11年にご病気をされた後、なかなかご自身が思い通りに動けない中で、
補聴器をつけて劇場前に立ち、お客さんを案内されている姿。
今も脳裏にやきついています。
お疲れ様でした、と言える立場ではありません。
本当にありがとうございました。
小林
(個人アカウントから映画館や周辺情報などをつぶやいています→Twitter)