映画館の仕事は、人が休むときに働き、人が働くときに休む。
もちろん8月のお盆時期は繁忙期で、休むヒマなし!
…と見せかけて、
お盆に3連休いただいておりました。
申し訳ございません。
しかしそんな休みを利用して、道すがら、
映画館に立ち寄ってまいりましたのでご報告します。
長野県塩尻市にある東座(あずまざ)さんです。
こちらの記事に詳しいので、ご一読頂くとうれしいですが、
http://www.shimintimes.co.jp/yomi/isan/isan91.html
前身は1922年(大正11年!)建築の芝居小屋とのことですから、その歴史91年。
歴史の中では、建物の拡張があったり、ダンスホールや喫茶店の運営があったり。
それでもこの街に劇場を維持し続けているのは、変化に柔軟に対応してこられた
劇場関係者の方の努力の賜物と思います。
個人の映画館が簡単にやっていける場所ではないです。
周囲は、民家と畑に囲まれています。
塩尻市の人口は、6万7千人。
ちなみに横浜市は、ジャック&ベティのある中区だけで約15万人です。
そんな”映画館がありえない場所”で、映画館を続けている、
合木こずえさんに劇場でお会いできました。
オープン前の忙しい時間に突然伺ったのに、ご親切に対応してくださいました。
現在は1階、2階の2スクリーンのうち、
1階を単館系の作品、2階をポルノ映画で運営されているとのこと。
2スクリーンのとりあわせが、一見シュールですが、
1階は地方で観る機会の少ないミニシアター作品を上映し、
2階は長年通う地元の常連の方が多いポルノを上映。
こういう2スクリーンもあるのかと感心したのと、
個人的に、こういう共存のしかたは、大好きでした。
その在り方自体に、劇場とお客さんの懐の広さがあらわれているようで。
合木さんについては、こちらの記事語られている内容がどれも素敵で、
ぜひ小学校の道徳の教科書に、全文掲載してほしいです。
http://www.cinema-st.com/road/r072.html
最近、映画館の方とお話しする際には、どうしてもデジタル化の話題になりますが、
東座さんは1階には近日DCPを導入されるとのことでした。
見事にデジタル化の波も乗り越えてらっしゃるわけで、すごいっす。
まさに街の文化拠点である、ということもそうですが、
劇場自体が努力し、変化をかさねていく。
これこそ中小劇場(と中小企業)の鏡なんじゃないかと感心させられた、
塩尻の東座さんでした。
小林