新潟のシネ・ウインドさんで、デジタルシネマ導入が完了し、
6/29(土)よりデジタルシネマの上映がスタートするとのことです。
▼★ありがとうございます
★6/29(土)デジタルシネマ上映スタート! 入会手数料無料キャンペーン
http://www.cinewind.com/news/6-29-2/
シネ・ウインドさんは設備導入費用の捻出のため、
以下を基本骨子とし、募金プロジェクトをスタートされました。
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●現在の35ミリ映写機のうち1台を撤去し、その場所にデジタルシネマ機器を設置する。
●2台の35ミリ映写機を交互使用していたスタイルから、1台映写に変更する。
●上記の変更にともない、音響面での充実も実現させる。
●導入にかかる予算として、およそ1千万円くらいは必要。
●加えて当座のメンテナンス等のため数百万円程度の予備費があるとベター。
●来年6月までには引き渡し完了を目標。
引用元:http://www.cinewind-bokin.jp/1000万円かけてデジタル化しないとシネ-ウインドが無くなるって本当ですか/
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ミニシアター向きの数百万円クラスのデジタルシネマ機器が発売された昨今、
目標金額が2000万円というのを聞いたときには、
「え、高くね?」
と個人的に思ったことを正直に白状いたしますが、
デジタルシネマ導入に際して、35mm映写機も改める必要があったのですね。
つまり、デジタルシネマ導入のためのスペースが、映写室に確保できないため、
35mm映写機を、全自動型2台 → ノンリワインド1台に変えたということでしょう。
ちなみに、ジャック&ベティは、全自動型2台が、両方の劇場に入っていますが、
幸いに映写室が広く設計されているため、映写機自体を変える必要はありません。
しかし多くの小劇場において、スペースの問題は、デジタルシネマ映写機の導入にあたり、
スペースに共存できない映写機を廃棄せざるを得ない一因になると思われます。
話がそれましたが、シネ・ウインドさんはこの募金プロジェクトで
最終的に、1918万126円(!)を集めたとのこと。
シネ・ウインドさんは「市民映画館」として、会員の方々で運営し、会報の編集、
上映作品の選定まで行われているということで、市民のネットワークで支えられている
下地と実績があることが、この成功にあることはいうまでもありません。
しかし、なによりも感心させられたのは、募金プロジェクトにあたって、
詳しく丁寧に、そしてなるべく包み隠さず、デジタルシネマ導入の必要性を、
説明していることです。
▼シネ・ウインド デジタルシネマ設備募金プロジェクト
http://www.cinewind-bokin.jp/
どの仕事もある程度はそうですが、とりわけ映画館においては、
内部は、ブラックボックスであり神秘的なイメージがあるのではないでしょうか。
たとえば映画館の“映写技師”という存在への、一般的な憧れの思いも、この神秘性に根ざしているものと思います。
シネ・ウインドさんの募金プロジェクトのサイトでは、
デジタルシネマ自体の説明、自劇場の設備の現状、また重要な運営側の「思い」が、
ブラックボックスにされず、ひとつひとつ語られています。
そして、その正直さが読んで伝わってきます。
“業界内の仕様変更”とも言えて、一般的な観客の方に分かりづらいデジタルシネマの問題を、
運営側と観客側、両方の立場から語り、“私たちの問題”として共有しています。
そして、見事にデジタルシネマ導入を成功させました。
これは、簡単にできないことですよ。
シネ・ウインドさん、本当におめでとうございました。
小林