韓国<ミリム劇場への道>6号


<ミリム劇場への道>6号
〜2019年6月、韓国インチョンで、ジャック&ベティとミリム劇場の共同企画が開催されました。
本稿は当館のお客様にその内容を報告し、今後を見届けて頂くためのドキュメントです。〜
(報告:副支配人・小林)

<ミリム劇場への道>1号はコチラから
<ミリム劇場への道>2号はコチラから
<ミリム劇場への道>3号はコチラから
<ミリム劇場への道>4号はコチラから
<ミリム劇場への道>5号はコチラから

シネマ・ジャック&ベティは、韓国・仁川(インチョン)にある映画館・ミリム劇場との交流を行っています。昨年は6月にミリム劇場で「同時上映展」を開催しました。

前号5号を発行したのが今年2月でした。その際にお知らせした3月のミリム劇場との同時上映展は、新型コロナウイルスの影響により延期し、当館のみで『大観覧車』『ひと夏のファンタジア』2作品を上映しました。ご来場いただいた皆様、『大観覧車』初日にご登壇くださった堀春菜さん、メッセージをくださったベク・ジェホ監督、関係者の皆様、ありがとうございました。
その後、両国を行き来する形での同時上映展は、状況改善を祈りながら、今年中の開催を目指してきましたが、今尚その兆しが見えないため、大変残念ながらいったん「無期延期」となってしまいました。楽しみにしてくださった皆様には申し訳ありません。ただ両館の交流が途絶えるわけではもちろん無く、お互いのコロナ禍での存続を祈りながら(切実…)、今後の交流を考えていきたいと思います。これからも両館の交流を見守ってください。

◆ミリム劇場のチェ・ヒョンジュン代表からのメッセージ
全世界が新型コロナウイルス(COVID-19)による困難に直面していますが、韓国の映画館も同様で、一般のシネマコンプレックスも、地域の独立·芸術映画館も厳しい状況です。
ミリム劇場は、今年上半期を前年と比較すると、売上高でマイナス62%を記録しました。 2月末〜4月末までの2ヶ月間の休業が最大の原因ですが、再開以降も観客数が急減した状態がこれまで続いており、回復がいつになるか全く予測できません。

コロナ禍以前は、1日200人余りの観客が来ていましたが、今は1日平均50人余りです。やはり心配なのは、売り上げ減により映画館運営が不安な点ですが、幸いに映画振興委員会の運営支援金で賃貸料と人件費の一部を補助され、また特別に設けられた支援金により、今年いくつかの企画が続けられる状況です。
最近は感染者が増加の傾向にあり、再び閉鎖されるかも知れないという不安がありますが、封切りされる韓国独立映画もあるので、意義のある企画や舞台挨拶は、慎重に開催していきます。
映画上映以外にも力を注いできた主要事業も影響を受けています。青少年の進路体験や団体見学も、普段は1ヶ月に1〜2回程度あったものが、今年は全く行われていない状態で、外部の公募事業の支援を受けている様々な文化芸術教育ワークショップも時期を延期したり、短縮して運営しています。
また建物が老朽化しており、屋根の漏水問題、座席や映写装備の改善など設備投資が必要な時期が同時に近づいて来ていることも、根本的な解決策がなく、悩みをさらに増やしています。 投資を受けられるなら、「コロナ時代の映画館」にふさわしくリフォームを試してみたいのですが、実現の可能性は分かりません。

ご存知のように、シネマ・ジャック&ベティとの交流イベントである「同時上映展」も、今年の3月に開催予定でしたが、6月に延期し、再び9月に無期限延期に変更せざるを得ませんでした。 しかし昨年ご一緒した大切な経験があったので、いつか機会があれば、またイベントを開催できると固く信じています。
代わりに仁川の短編映画5本を集めて、日本のミニシアターを巡回上映するプロジェクトは、日本のコミュニティシネマセンターの助けを借りてオンライン形式に変えて準備しています。 現在、上映作品を選定しており、日本語翻訳と字幕作業を経て、11月にミリム劇場と日本のいくつかの映画館が一緒に上映する予定です。ジャック&ベティでの上映も期待してください。
(チェ・ヒョンジュン-ミリム劇場代表理事)

カテゴリー: スタッフブログ, 映画館・ミニシアター パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。