横浜シネマ・ジャック&ベティでは、10月26日(土)から全国に先駆けて、横浜か らロードショー公開をする。7年前、我々がジャック&ベティを引き継ぐとほぼ同時に、取 り壊されてしまった横浜日劇を舞台にした「私立探偵濱マイ ク」の林海象監督と永瀬正敏さ んが17 年ぶりにタッグを組んだ「彌勒 MIROKU」は、絶対にジャック&ベティで上映した いと思っていた。 本年3月に開催した横浜みなと映画祭「私立探偵 濱マイク大回顧展」の準備中に、何度か 「彌勒 MIROKU」を劇場で試写させていただいた。林海象監督行きつけのバー「アポロ」に て、「この映画は上映したいという気持ちがある劇場でしか上映しない。どこでもいいから 東京から上映するという他の映画とは全く違う」と言う林監督に、その場でジャック&ベテ ィでは、どこよりも先に6ヶ月上映しますと、その場で宣言した。 6ヶ月というのは「彌勒 MIROKU」(=369ミロク)の6であるが、適当に決めたわけで はない。私は「彌勒 MIROKU」を見た後、数時間後にはまた見たくなった。今もまた劇場で 見たいと思っている。まさに映画らしい醍醐味を持ちながら、他の美術やお芝居・ミュージ カルなどの鑑賞後感に近い印象を残す。なので、通常の2週間で上映終了して、また次の作 品の上映という流れとは、別の形で上映したいと考えた。美術の展覧会やサーカスのような 、少し長い期間で見れるようにしたいと。その結果、東京や京都での上映は2014年2月 に決まったため、今年中は全国でシネマ・ジャック&ベティでないと「彌勒 MIROKU」を見 ることはできない。 また、1週目10月26日(土)~11月1日(金)は1館をフルに回し、1日6回上映い たします。6回上映というのは「彌勒 MIROKU」(=369ミロク)の6であるが、適当に決 めたわけではない。1日フルで6回上映するのは、2010年8月に公開した若松孝二監督 「キャタピラー」以来初である。だが、寺島しの ぶさんがベルリン国際映画祭で最優秀女優賞 を受賞し、全国で同時公開された「キャタピラー」とはまた違う。「彌勒 MIROKU」は東京か ら公開するという慣例を破って、あえて横浜から公開する作品だ。それによる弊害は非常に 多い。 例えば、皆さまのお近くにある、映画情報誌で10月26日公開の作品紹介を見てください。 「彌勒 MIROKU」は載っていないと思います。なぜなら、東京で公開が始まらないからです。 でも、「彌勒 MIROKU」は横浜から公開するのです。今後、こういったチャレンジングな映画 を応援していくためにも、シネマ・ジャック&ベティは「彌勒 MIROKU」を象徴的に1日6回 上映するのです!と、長くなりましたが、ですので、「彌勒 MIROKU」の6ヶ月ロングラン、 1週目6回上映ロードショーを応援して下さるのは、この文章を読んでいただいている、あな たしかいません。 どうか、劇場に足を運んでいただいて、またどんな感想でも、人にお伝えいただけるとありが たいです。どうか、よろしくお願いいたします!
横浜シネマ・ジャック&ベティ支配人 梶原俊幸
※メンバーズクラブ向け瓦版42号に掲載した文章ですが、ブログにも転載させていただきます。